ニトリではテーブルの天板やサイドボード・食器棚の扉そしてお鍋のガラス蓋など
商品のさまざまな部位にガラスを使用しています。
しかし一概に「ガラス」といってもその種類はさまざまです。
これらニトリの商品に使用しているガラスの多くは「強化ガラス」です。
◎強化ガラスとは
普通のガラス(フロートガラス)を約700度まで加熱し
ガラス表面に空気を吹きつけ均一に急冷したガラスです(風冷強化法)。
この処理により表面には圧縮応力層が、内部には引張応力層が形成され
互いにバランスがつりあった状態に保たれます。
結果、表面が強化され普通のガラスに比べて強度が高くなります。
<ガラス天板の断面図>
◎普通のガラスとの違い
・外観・・・・・変わらない
・強度・・・・・普通のガラスの3~5倍ほど
・耐熱性・・・・普通のガラスと同様に急な加熱や急冷に弱い
◎強化ガラスが割れる原因
強化ガラスと言っても普通ガラスと同様に
硬いものを落とす等での物理的衝撃や急激な加熱・冷却での熱衝撃が加われば割れます。
また、強化ガラスは上記の原因に加えて
①表面の圧縮応力層を貫くような深い傷をつけると割れます。
②内部に含まれる不純物(硫化ニッケル)が原因で割れます。
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<不純物の例>
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不純物よって割れたガラス
◎破損した場合
・強化ガラス・・・粉々に砕け散るため、破片が粒状になり
普通のガラスと比べて手を切るなどの危険が少ない。
・普通ガラス・・・割れた破片が大きくまた
鋭く刃物のように割れるため、手を切る危険がある。
<破損例>
強化ガラス 普通ガラス
◎ニトリでの取組み
自社基準に則り対象の商品には下記の対策を実施しています。
①破損原因のひとつである「内部に含まれる不純物」への対策として
ヒートソーク加工を実施しています。
ヒートソーク加工とは・・・
完成した強化ガラスを約300度まで加熱し
不純物(硫化ニッケル)の体積を意図的に膨張させる加工です。
この処理によりガラス内部に不純物(硫化ニッケル)が含まれている場合は
強化ガラス自体が破損します
(スクリーニング=ふるいにかけて条件に合うものを選び出すこと)。
ニトリでは、100%破損しないわけではありませんがヒートソーク加工をおこない
不純物を含むガラス製品の市場流出を防止しています。
②強化ガラスの表面に飛散防止フィルムを貼り付けています。
強化ガラスが割れてしまった場合、細かなガラス片が部屋に飛び散ってしまいます。
ニトリでは、万が一強化ガラスが割れてしまっても
ガラス片の飛び散りを軽減させるために、裏面に飛散防止フィルムを貼り付けています。