対応バージョン: m-FILTER Ver.4 / Ver.5
対応OS: すべてのOS
「m-FILTER」Ver.5 「インストールマニュアル 2-6項」記載のメジャーバージョンアップ
手順では、
「旧バージョンのインストールディレクトリをそのまま使用する」ことを前提
として記載しています。
本FAQでは、サーバーをリプレースせず同じ筐体内で
「旧バージョン(Ver.4もしくはVer.3)のインストールディレクトリを使用せず旧バージョンのデータを移動する」
バージョンアップ手順を記載します。
■事前準備
・Ver.5のご利用にはVer.4シリアルNo.のライセンス更新が必要です。
更新手続きがお済みでない場合は、販売代理店もしくは弊社営業窓口へお問い合わせください。
・本手順は主管理者権限のユーザーで実施してください。
・保留メールや送信ディレイメールが存在する場合は、作業前に全メールの「送信」(または「削除」)を実施してください。
・作業前に「m-FILTER」へのメール流通を停止してください。
・設定同期環境の場合は、作業前に設定同期機能を無効にしてください。
■ メジャーバージョンアップ手順
【STEP1】
Ver.4管理画面[オプション]-[設定ファイル]より設定ファイルのバックアップを保存します。
【STEP2】
Ver.4管理画面[オプション]より、下記メニューに設定されているパスを別の場所を控えておきます。
メニュー |
設定項目 |
初期設定 |
備考 |
フィルター
挙動 |
m-FILTER認証 |
認証ファイル名 |
conf/auth.dat |
使用していない場合は無視 |
保存メール |
全件エクスポート設定/ |
未設定 |
使用していない場合は無視 |
エクスポートファイル保存先 |
メール保存先 |
ディレクトリ |
data/save/ |
初期設定の場合は
データ保存不可 |
検索ディレクトリ |
ディレクトリ |
未設定 |
使用していない場合は無視 |
レポート |
レポートデータ保存先 |
data/report/ |
初期設定の場合は
データ保存不可 |
バックアップ
・リストア |
データ
(バックアップ) |
レポートバックアップ先 |
未設定 |
使用していない場合は無視 |
保存・保留メールバックアップ先 |
未設定 |
使用していない場合は無視 |
【STEP3】
Ver.4のアンインストール、またはサービス停止を行います。
※補足
アンインストールをしても「設定」「データ」「ログ」等の利用者固有の情報は削除されません。
【STEP4】
キューファイルの参照先を変更します。
1. 下記ファイルを任意のエディターで開きます。
<Ver.4インストールディレクトリ>/conf/mf_log.def
2. 「QUEUE_DIR_PATH」の値を、「Ver.5」環境のパスにあわせた絶対パスに変更します。
この時、もとの値がデフォルト(queue/)と異なっていた場合は、該当の値を控えておきます。
!!注意
キューファイルの参照先へアクセスできない場合、正常に処理が行われなくなります。
例
Ver.5を初期設定で運用している場合、以下のように絶対パスへ変更します。
(Windows)QUEUE_DIR_PATH = C:/Program Files/Digital Arts/m-FILTER Ver.5/queue/
(Linux)QUEUE_DIR_PATH = /usr/local/mfilter5/queue/
※インストールディレクトリが「C:\Program Files (x86)\Digital Arts\m-FILTER Ver.4」の場合があります。
【STEP5】
Ver.5を新規インストールします。
※このとき、Windows版ではサービスが自動開始されるためサービスメニューから
「m-FILTER Ver.5」サービスを手動で停止します。
【STEP6】
Ver.5のconfディレクトリに、以下のコンバートフラグファイルを作成します。
<Ver.5インストールディレクトリ>/conf/convertV4.dat
!!注意
コンバートフラグファイルを作成する際、ファイル名の大文字・小文字、拡張子の違いにご注意ください。
大文字・小文字、拡張子が異なる場合、旧バージョンの設定は移行できません。
コンバートフラグファイルは、文字コードをShift_JISで作成する必要があります。
文字コードが異なる場合、旧バージョンの設定は移行できません。
【STEP7】
「STEP6」で作成したファイル内容にVer.4のインストールディレクトリパスを記載します。
(例)
Ver.4のインストールディレクトリが初期値の場合、"convertV4.dat"に以下の1行を記載します。
(Windows)C:\Program Files\Digital Arts\m-FILTER Ver.4\
(Linux)/usr/local/mfilter4/
インストールディレクトリが「C:\Program Files (x86)\Digital Arts\m-FILTER Ver.4」の場合があります
【STEP8】
Ver.5のサービスを開始します(設定コンバートが実行されます)。
※補足
設定コンバート処理により、作成したコンバートフラグファイルは自動的に削除されます。
また、自動的に「m-FILTER」サービスの再起動が行われます。
【STEP9】
設定コンバートにより、Ver.5のサービスが自動的に再起動されるまで待機します。
※環境にも依存しますが、再起動完了まで数分かかる場合もあります。
【STEP10】
Ver.5の管理画面に入り、ユーザー登録を実施します。
また、[ログ / システムログ]メニューを開き、"WARN"や"ERROR"が出力されていないことを確認します。
【STEP11】
ルールなどの「作成したデータ」を閲覧し、文字化けが発生していないことを確認します。
【STEP12】
Ver.5の管理画面で、下記メニューの各パス設定を新環境にあわせ設定します。
・オプション >> レポート
「レポートデータ保存先」
※デフォルトは [tenant/default/data/report/] なので注意してください。
Ver.4からの設定コンバートを行うと、Ver.4での設定内容が反映されるため、
Ver.5環境向けに変更する必要があります。
・オプション >> メール保存先
「ディレクトリ」
※デフォルトは [tenant/default/data/save/] なので注意してください。
Ver.4からの設定コンバートを行うと、Ver.4での設定内容が反映されるため、
Ver.5環境向けに変更する必要があります。
・オプション >> 検索ディレクトリ
「ディレクトリ」
※基本的に「Ver.4」と同じになります。
・オプション >> m-FILTER認証
「認証ファイル名」
・オプション >> 保存メール >> 全件エクスポート設定
「エクスポートファイル保存先」
・オプション >> データ(バックアップ)
「レポートバックアップ先」
「保存・保留メールバックアップ先」
※補足
設定ファイルのバックアップデータは引き継ぎ対象外です。
Ver.5への移行後に再度バックアップを取得してください。
【STEP13】
「Ver.5」のサービスを停止します。
【STEP14】
「STEP2」で控えた「Ver.4」環境のパスから、「STEP12」で設定した
「Ver.5」環境のパスへ各データを移行します。
※パスの指定が「絶対パス」であり、バージョンアップの前後で変更がなければ、
移行の必要はありません。
絶対パスとは、「ドライブルートから指定しているパス」のことです。
(絶対パスの例)
(Windows)D:\archive\data\save
(Linux)/mnt/archive/data/save
※「保存メールデータ」など、移行するデータ容量が大きくなり、コピーに時間が
かかることが予想される場合は、予めデータをコピーしておくことをお勧めします。
(例)
2018/4/1にバージョンアップ作業を行う場合、2018/3/31までのデータは事前に
同じ物理ディスクの一時ディレクトリにコピーしておきます。
この時、「2018/3/31」分のデータは4/1になってからコピーしてください。
バージョンアップ作業時には、一時ディレクトリからの移動を行えばすぐに
作業を完了することが可能です。
1. レポートデータ
「Ver.5」環境で「レポートデータ保存先」を変更した場合は
「Ver.4」環境の「レポートデータ保存先」以下のファイル・ディレクトリを
「STEP12」で設定した「Ver.5」環境の「レポートデータ保存先」へ移動します。
※既に「Ver.5」環境にファイル・ディレクトリが存在している場合は
上書きしてください。
2. 保存・保留メール
「Ver.4」環境の「メール保存先」以下のファイル・ディレクトリを
「STEP12」で設定した「Ver.5」環境の「メール保存先」へ移動します。
移動対象は 「メール保存先」以下の下記ディレクトリ内のファイル・ディレクトリ
となります。
※「illegal/tmp/work」ディレクトリ内にキューファイルが存在していた
場合は別途問い合わせてください。
3. キューファイル
「Ver.4」のキューディレクトリを移行します。
「STEP4」で確認した「QUEUE_DIR_PATH」の値により、コピー元のパスは異なります。
<「Ver.4」でデフォルト(queue/)だった場合のコピー元の例>
(Windows)QUEUE_DIR_PATH = C:/Program Files/Digital Arts/m-FILTER Ver.4/queue/
(Linux)QUEUE_DIR_PATH = /usr/local/mfilter4/queue/
<「Ver.4」で変更されていた場合のコピー元の例>
「QUEUE_DIR_PATH」に設定されていたコピー元
<コピー先>
「STEP4」vで設定した「Ver.5」のキューディレクトリ
※配下のディレクトリ、ファイルも移行します。
特にqueueディレクトリ直下に存在している queueid.dat も
忘れずに移動してください。
(既に「Ver.5」環境に存在していた場合は上書きしてください)
【STEP15】
「Ver.5」のサービスを開始します。
【STEP16】
移行したデータを問題なく閲覧できるか確認します。
※補足
レポートデータの引き継ぎを行った当日は文字コード混在による文字化けが
発生する場合があります。
文字化けは集計を行うことで解消するため、翌日まで待つか、
[オプション > レポート]画面の「期間変更後の再集計」を行ってください。
【STEP17】
事前に設定同期設定をOFFにした場合は、ONの設定を実施し再度「m-FILTER」を再起動します。
【STEP18】
「m-FILTER」サービスの起動設定を行います。
(Windows)
「コンピュータの管理(サービス)」にてスタートアップの種類が以下になるように設定
Ver.5・・・自動
Ver.4・・・手動もしくは無効
(Linux)
「chkconfig --list」コマンドにてVer.5とVer.4が以下になるように設定
mfilter5・・・RUNLEVEL「3」「4」「5」が「on」
mfilter4・・・全てのRUNLEVELが「off」
!!注意
同一の環境に複数バージョンの「m-FILTER」をインストールすることはできますが、
同時に起動することはできません。
Ver.4をアンインストールしない場合、OS起動時にサービスが自動起動しないよう設定する必要があります。